時空の話

ずいぶん前だったと思うけれど、東大の大学院で物理学を専攻している学生と面接をさせてもらった際に、 僕たちは今、「物事は一意に決まる」とか、「時間の流れは一定である」とか思っているけれど、量子力学や相対...

乾の四徳、坤の四徳

『易』は生成・発展の法則を取りまとめた書物である。古代中国の書物に限らず、古い本というのは現代の私たちにとっては体系がわかりづらい、もしくは存在しないように見えるものもあるが、『易』については64個の...

礼(れい)

古代中国で生じた、「徳(とく)」に続く重要な概念の1つは「礼(れい)」ではないかと思っている。元々は儀礼的な意味合いの文字だと思うが、主に儒家、とりわけ荀子によって、礼はいわば調和の方法論として意味づ...

甲骨文字・金文 漢字表

1年生の最初に習うような、数字や曜日に関する漢字について、甲骨文字や金文の形で並べてみました。漢字の記事でも触れたように、一言で甲骨文字や金文と言っても、様々な形が存在していますが、なんとなく現在の漢...

東洋(とうよう)

私は「東洋」というものに関心を持っていて、当然のようにその言葉を使っているのだけれど、では、東洋とは何かという問題についてはあまりちゃんと考えたことがないということを思った。 「東洋」というのは西洋の...

壬寅の意味 – 2022年の干支

「壬」という字の中のよこ一を短く書く人がありますが、これは間違いで、一を下の一より長く書かねばなりません。「壬」であります。一番よくわかるのは、妊娠で、中の一は胎児ですね。受胎して胎児ができ、これが大...

太極(たいきょく)

原初、唯一絶対の存在は「混沌」であるという。「天地未だ形(あらわ)れざるとき」には混沌があり、清陽なるものは昇って天となり、重濁なるものは沈んで地となる。混沌から陰陽が生じて、さらにその陰陽が発展して...

『易』の成り立ち

世界や物事の生成・発展の法則への興味は個人的には自然とあって、10年くらい前からなんとなく『易』に興味を持って、頭の片隅にあった。最初のきっかけは安岡正篤の『易と人生哲学』という書籍で、「易」という言...

月の話

月は地球の衛星である。その直径はおよそ3,474kmで地球の約1/4、密度は約3.3g/cm^3で地球の約5.5g/cm^3に比べて小さい(地球の密度の大きさは月に比べて大きな重力によって圧縮されてい...

徳(とく)

立派な人のことを、「徳がある」と表現することがある。義務教育にある「道徳」という科目は古臭いとか、偽善的だと感じる人もいるかもしれない。悪徳業者というと、詐欺的な取り引きを繰り返しているようなイメージ...