兵に常勢無く、常形無し

兵無常勢、水無常形、能因敵変化而取勝者、謂之神、

兵に常勢無く、常形無し。能く敵に因りて変化して勝を取る者、之を神と謂う。

(孫子 虚実編 七)

『孫子』における最高の戦い方である「無形無声」は、「微神」と表現されます。

 

戦いにおいて「臨機応変」が求められるのは、敵や環境、そして自軍といったあらゆる要素が常に変化するからだと思います。

「常」というものが存在するという考え方自体が戦う上では非常に危険で、亡びを招く罠となります。

 

一瞬たりとも留まることが許されないのが戦いであり、最善の選択は常に変化していく。それは生きる上でも共通の原則だと考えています。

 

ちなみに白文には「水」という字が現れますが、ここでは文脈に合わないため、誤って入ったものという説を採用し、書き下し文には含めていません。

「水」の概念はここでご紹介した一節の直前に現れ、「兵の形は水に象る」と表現されており、「応変」の概念の理解を助ける比喩となっています。

 

また、「神」は「無声」と対になる表現で、戦場に現れるはずのない神秘的な(ある意味で不自然な)静けさ・鎮まりを表現しているのだろうと理解しています。

 

「鎮まり、敵に合わせて応変できる」、そのように鍛錬を積むことができればと思います。

 

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