無形無声

善攻者、敵不知其所守、善守者、敵不知其所攻、微乎微乎、至於無形、神乎神乎、至於無声、

善く攻める者、敵其の守る所を知らず、善く守る者、敵其の攻める所を知らず。微なるかな微なるかな、無形に至る。神なるかな神なるかな、無声に至る。

(孫子 虚実編 二)

『孫子』の中で私がもっとも好きな一節の一つです。述べられていることは極めてシンプルで、戦略の本質を突いていると感じます。

 

ちなみに「微陣」という概念がありますが、これは相手の勢い・力の向きに合わせて変幻自在する陣のことと理解しています。

「微」とは「微か」ということですが、自らが力を方向付けるのではなく、自らは万全の状態であらゆる方向の力を受け入れられる状態、つまり自身が出す力は「微か」である陣であると。

 

合気道を始めとする日本の武道・武術では、不動の身体と心を「肚」を鍛えることで養い、「微」(理想的には「無」)でもって変幻自在に敵を撃つことを目指します。

それを軍という組織において実現することが「無形無声」であり、「微陣」ということだと理解しています。

先に立たず、先に攻めず、先に勝たず

何故、これが必勝の法であるのかの理解を助けてくれる一節です。

 

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