風林火山

兵以詐立、以利動、以分合為変者也、其疾如風、其徐如林、侵掠如火、難知如陰、不動如山、動如雷震、

兵は詐を以て立ち、利を持って動き、分合を以て変を為す者なり。

其の疾きことは風の如く、其の徐かなることは林の如く、侵掠することは火の如く、知り難きことは陰の如く、動かざることは山の如く、動くことは雷の震うが如し。

(孫子 軍争編 三)

南北朝時代の北畠顕家や、戦国時代の武田信玄が軍旗に記したことで有名な「風林火山」です。

 

「風、林、火、山、陰、震」の順で記されていることが多いですが、注本によっては「風、林、火、陰、山、震」として、隔句韻(林、陰、震が一句ごとに現れて韻を踏んでいる)であるとしているものもあるようです。表現としては、そちらの方が自然だと感じます。

 

この一節は「風林火山」自体が本質というよりは、「詐を以て立ち、利を以て動き、分合を以て変を為す」の部分に本質があります。それを「風林火山」と表した『孫子』の表現力には圧倒されます。

 

現代のように人工物で感性が鈍るまでは、非常に敏感に自然を感じとることができていたということなのかなと感じます。

 

もちろん、兵の本質を突いている点も素晴らしいのですが、こういった表現力も『孫子』の魅力だと感じます。

 

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