拙速を聞くも巧久を賭ざる

兵聞拙速、未賭巧之久也、

兵は拙速なるを聞くも、未だ巧久なるを賭ざるなり。

(孫子 作戦編 一)

戦いというのは必ず莫大な投資が必要で、犠牲も出る。戦いの利益は、損失と表裏である。だから「拙速」(まずくても早々に切り上げる)ということは聞いても、「巧久」(うまくて長引く)ということは見たことがない。

 

この文の要点は「戦いを長引かせて、利することはできない」、つまり戦いの利益と損失の在処を示している点だと思います。決して、早い「だけ」の意思決定が良いと言っているわけではない点には、注意が必要だと感じます。

 

毛利元就の三男である小早川隆景という人は、戦いの場では「神速果断」と言ってよい人物だったそうですが、黒田長政が隆景の分別のありようについて尋ねた際、次のように答えたそうです。

別の仔細なし、ただ久しく思案して、おそく決断するのがよく候う。

これは日常を戦場として捉え、心を固めておくことの大切さを表しているのだと思います。「常在戦場」で意志と決断を固め、戦うべきときは早さを発揮し利益を最大化できる、そういう人になりたいものです。

 

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