執する者は之を失う

為者敗之、執者失之、

為す者は之を敗り、執する者は之を失う。

(老子 上編 第二十九章)

『老子』は「無為自然」を一つの理想的な状態として説きますが、裏を返すと「有為」は「不自然」であり、損なわれたり失ったりすることが道理であるということを教えてくれます。

 

社会における名誉や栄達を欲したり、極論すれば意志を持つことは「不自然」であり、歪みが生じて苦しむことは当然だと考えています。

「憂鬱でなければ、仕事じゃない」、「やりたくないことをやるのが仕事」と言ったりする方もいらっしゃいますが、それは一つの真理だと思います。

 

何かを為そうとすること、何かに執着することは、それ自体を損なうこと、失うことを伴うということを理解して、物事を為す必要があると思っています。

また、社会に生きる限り、それらの闘争に巻き込まれることはむしろ必然であり、「無為自然」はそれを脱することを教えているのだと捉えています。

 

私自身は、何かを損ない、失う尽くすという行為を行わずして、「無為自然」に達することは非常に難しいと考えています。

 

損ない、失うということを知っていてなお、為したい事がある。それが「人間」というものかなと思っています。

 

憂鬱でなければ、仕事じゃない
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