足ることを知れば

知足不辱、知止不殆、可以長久、

足ることを知れば辱しめあらず、止まることを知れば殆うからず。以て長久なる可し。

(老子 下編 第四十四章)

とても『老子』らしいと感じる一節です。

 

この節が語る思想は、「名誉」や「富貴」を重んじる多くの思想・学派と対立する論点の一つとして挙げられることも多いようです。また、人間の欲望・本能と対立するという意味で、身に染み込ませて実行するのがとても難しい教えだと感じます。

 

「欲望」は他人も自分も傷つけるというリスクを理解して振るう必要があると思います。

 

『老子』の捉え方にも依りますが、この節に関して言えば「無欲」を説いているわけではありません。私個人としては、ある程度の「欲望」は人を幸せにするために必要だと考えています。

 

ただ、「欲望」の大きさがある一定値を超えると、とたんにそれは他人や自分を傷つける凶器としての面を強く見せ始めます。「欲望」は勢いを持ってしまうので、その点をわきまえる必要があると思うのです。

 

「足ることを知る」、「止まることを知る」は、「欲望」に使役されないようにする、「欲望」の上位に想いを持つということかもしれないと考えています。

 

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