その糸口もたがふれば

ひとすじの  その糸口もたがふれば  もつれもつれてとくよしぞなき

(昭憲皇太后御歌)

物事の本質は案外単純なものなのだと思いますが、複雑に捉えたり、偏って捉えたりすることで解けなくなることがあります。

 

人間の脳は記憶によって作られていると言われますが、人は何かを判断する際にすべての情報を処理しているわけではなく、経験に基づいて適宜処理を省きながら、判断を導くそうです。

 

構造としても、まずはその物事が好ましいか、好ましくないかを判断した上で具体的な情報処理を開始するという話を聞いたことがあります。

同じ言動に対する印象でも、好きな人の言動は好ましく感じ、嫌いな人の言動は好ましくないと感じます。これは実体験に照らしても、その通りだと思います。

 

「ひとすじの糸口」というのは、その最初の処理のことを言っていると捉えることもできると思います。また、脳が記憶で成り立っているのであれば、ちょっとしたやり取りの積み重ねとしての印象が、その後の言動を決めていきます。

 

脳が経験に基づいて、常に進化していくものであれば、それを解きほぐすことは極めて難しい。それが「とくよしぞなき」となります。これはある1人の脳の話ですが、多くの人が絡み合った問題において、その糸のもつれは非常に複雑です。

 

物事はなるべくシンプルに捉えた方が良い。その1つのフレームワークとして、私は「人には結局、好きか嫌いかしかない」というものが気に入っています。

 

論理的に解ける問題はもちろんあると思いますが、結局は人が動かなければいけない以上、感情を理解することはとても大切です。そして、誰もに好かれることもないというのもまた真実です。

 

結局、複雑な話になってしまった気がしますが、もつれさせないためには常に気を付けて、物事を前に進めていくために努力するしかないのだろうと思います。まさに「道は爾きに在り」で、シンプルに生きていくことを心がけたいものです。

 

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