蒙 – 山上水下、山水蒙(上経 四)

蒙

(天)と(地)が交わり、となった(物事が生じた)後の卦が蒙です。もう赤ん坊ではないものの、まだ未熟で蒙(くら)い状態を表し、「蒙昧」や「童蒙」と表現されます。

 

教えを請い、蒙さを啓くとき

蒙の卦はの卦を逆さまにしたもので、上卦に山、下卦に水が置かれます。山の下を水が流れている、つまり蒙(くら)い場所であり、水の険しさが山によって止められ、まだ外に向かっては活動できない形で「幼さ」に通じます。

 

ゆえに蒙の卦はその蒙(くら)さを啓(ひら)くこと、つまり「啓蒙」の必要性を教えるとされます。少年教育には啓蒙が必要で、未熟な時期は童蒙と自覚し、教えを請うことの大切さを教えています。

 

果行育徳 – 湧き出た泉を清める

蒙の卦の教えを端的に表すのが、以下の一節です。

山下出泉蒙、君子以果行育徳、

山下に泉を出だすは蒙なり。君子以て行いを果たし、徳を育(やしな)う。

いわゆる「果行育徳」が蒙の卦が教える徳です。

 

蒙の下卦は水ですが、ここでは「泉」とされ、山下から水がちょろちょろと細く湧いている様子が蒙とされます。湧き出た水は山下を抜けることで清められ、やがて滔々と流れる大河となり、海へと至ります。

その始まりが蒙であり、だからこそ「果行育徳(行いを果たし、徳を育う)」が大切とされるのだと思います。

 

何かを始めるとき、思い込んでしまっているとき、或いはちょっとした勘違いなどでも、生きていると常に蒙さ・蒙昧さが自分の内にあることを感じます。蒙さを啓くということを忘れずに生きていきたいと思います。

 

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