重職と申すは

重職と申すは、家国の大事を取計べき職にして、此重の字を取失ひ、軽々しきはあしく候。

(佐藤一斎  重職心得箇条  一)

もちろん日本語に限らず、名前・名称というのは非常に大切なもので、古人の名付けには深い知恵を感じます。

 

『重職心得箇条』は、小泉純一郎首相が田中眞紀子大臣に勧めたことで有名となりましたが、幕末の碩学、佐藤一斎が著した十七箇条からなる文章です。

内容は簡潔にして的確であり、多くの藩がこれを写して持ち帰ったと言われています。その第一箇条の冒頭が、ここでご紹介した「軽々しきはあしく候」です。

 

「重職」はもちろん責任の重いものですが、それ以上に、その人物自身が重くなくてはならない。どっしりとしていなくては、政も事業も定まって進んではいかない。

第一箇条に「軽々しきはあしく候」と持ってきた佐藤一斎には、歴史と経験に裏打ちされた、さすがの見識を感じます。

 

シンプルですが、非常に大切で、心に留めておきたい教えです。自戒を込めて。

 

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