合気宜しからず

大学入学時から合気道を続けてきたのですが、恥ずかしながら、どなたの言葉が元なのかは知りません。

 

「合気道」というと和合の武道とか、魔法のような武道などというようなイメージを抱かれることもありますが、決してそんなことはありません。また、よくある老人が勝手気まま(に見えるよう)に大男を投げる映像を、あながち嘘だとも思いません。

 

私は明治神宮の至誠館で合気道を学ぶことが多かったため、植芝家を中心とする合気会の合気道は分かりませんが、「合気をかける」というのは『孫子』でいうところの「虚実」に近い概念と捉えています。

 

もしかしたら「合気道」というより「合気柔術」に近いのかもしれませんが、「合気」は明確に「術」です。力と力を正面からぶつけてしまう状態を「合気」と呼び、合気道の技は「合気を外す」「合気をかける」というように表現します。

 

「合気宜しからず」とは、正面からぶつかって力が滞ってしまうことで、古来より武術としては良くないこととされてきたということです。例えば、怒っている相手に対して硬直して、こちらも攻撃的になってしまう。このような状態が「合気宜しからず」です。

 

『孫子』兵法の神髄である「虚実」の概念は、まさに「合気」を外すということと同義だと思っています。日常で「合気をかける」ことを修練すれば、交渉や営業においても高いレベルを実現できるのだと思います。

 

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