晴れてよし 曇りてもよし

晴れてよし  曇りてもよしの富士の山  もとの姿は変わらざりけり

(山岡鉄舟)

人のあるべき姿を端的に教えてくれる、さすが山岡鉄舟と感じる歌です。

 

どのような状況に置かれようとも「天」に対して誠実にあろうとする思想は、以前にご紹介した「四知(天知る、地知る、己知る、汝知る)」にも通じるものがあります。

 

この歌に現れる「晴れてよし  曇りてもよし」については、佐藤一斎の『言志耋録』に興味深い一節があります。

 

毀誉得喪は、真に是れ人生の雲霧なり。人をして昏迷せしむ。

(佐藤一斎  言志耋録  第二一六条)

 

「毀誉得喪」を人生の気象と捉えると、どのような気象に遭おうとも美しい姿を見せ続ける自然というものが、本当に偉大に感じられます。

 

もっとも、自然に対する「気象」と違い、「毀誉得喪」は少なからず自らが招くものです。

自らの行い・態度が招いた「毀誉得喪」に対してすら、感情を揺らし、態度を変容させてしまう人間から見ると、やはり自然は偉大なものだと感じます。

 

富士のように、美しい態度を持ちたいものです。

 

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