大形におもひては

此書にかきつけたる所、一言一言、一字一字にて思案すべし。

大形におもひては、道のちがふ事多かるべし。

(宮本武蔵  五輪書  水之巻)

有名な宮本武蔵の『五輪書』、「水之巻」の冒頭に現れる一節です。

 

この一節を、具体論が始まる「水之巻」の冒頭に置くという点だけ見ても、宮本武蔵がいかに深い修練を積んできたかを感じることができます。

 

言葉というのは「言の葉」というように、人の根幹からのびた枝の先からこぼれ落ちるものだと思っています。

それは書物でも同じで、誰かの教えを真に体得するには、「言葉」はヒントにしか過ぎないのだと思います。

 

どんなに親切な教えであっても、結局のところ、それは「我心から見出したる利」であり、宮本武蔵は「常に其身になって、能能工夫すべし」と説きます。

これは単なるスキルではなく、芸や道、生き方自体を捉える際には特に重要な態度だと思っています。

 

逆に言うと、思案の深さが学びや発見を高めてくれる可能性もあります。

それについては、「一人と一人の勝負のやうにかきつけたる所なりとも、万人と万人との合戦の利に心得、大きに見たつる所肝要也」と教えています。

 

私自身、理解が遅く、学びの難しさを感じることが非常に多いのですが、おそらく学びとはそういうものであり、深い修練をたゆまず続けていければと思います。

 

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