不動心 〜 つよく大なる心

岩尾の身と云は、うごく事なくして、つよく大なる心なり。

身におのづから万理を得て、つきせぬ処なれば、生有る者は、皆よくる心ある也。

(宮本武蔵 兵法三十五箇条 三十四)

宮本武蔵と言えば、特に剣術や武道に興味がなくとも知らぬ人はいないというくらい、有名な兵法家です。『兵法三十五箇条』は、その武蔵が晩年、細川公に献じたもので、武蔵直筆の書も残されているそうです。

 

武道を続けていると「不動心」という言葉に出くわす機会も多いのですが、その中でも宮本武蔵の「つよく大なる心」は重みのある言葉です。

 

不勉強のため、確信はないのですが、「よくる」は「避くる」であり、つまりは逃げ出したい、避けたい気持ちということだと理解しています。

その最たるものが「死」であり、死を目前にしても動く事のない、「つよく大なる心」が武道修養の究極的な目的と言えるのだと思います。

 

ちなみに不動心について言えば、ある剣道の先生に教えていただいたこんな歌も深みがあります。

海原の 千尋の底の静けさを 心に秘めて 場に出ずるべし

この歌を三回、心の中で落ち着いて唱えることができたときは恥ずかしい試合はせずに済むとのことで、自己の精神を測る手段とされていたそうです。

 

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